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作家について / Artist

自然美をテーマに斬新な切り口で表現し続ける京都の染色作家山本唯与志。
その技法は従来の染めだけに留まらず、既成概念を覆す新たな技法を常に取り入れ進化しています。
その反面、戦時中物資の限られた時代に糊のひび割れを使い開発された幻の染「象裂」を今の時代に甦らせた技法を考案・制作し続けております。

  幼少の頃から豊かな自然の中で育ち、身近にあった景色や大きな樹をよく絵に描いていたと今も振り返る。10代半ば京都二条城近くに居を構えていた写生友禅で著名な西崎松造氏に弟子入りをし、着物のあらゆる染めの技法を会得しながら京都芸大教授 故 来野月乙先生に指事。20歳の時に初めて日展に入選し、翌年日展理事でもあった故 皆川月華先生にも指事。この後、皆川先生が戦時中に蝋けつ染めの蝋が入手できず考案された幻の染「象裂」を初めて目にする。この出会いから約20年後に師から「象裂」の技法を伝授されることとなる。
  20代では多種の蝋けつ染めの技法を中心とした作家活動を行い数々の展覧会にてに出品し受賞を重ねる。

  1968年31歳の時、船でロシア廻りでヨーロッパへ入り、パリの"アトリエ17"に入門。S.W.ヘイター氏に版画を学び、その後もアメリカなど13カ国を遊学。

この時パリの同じアトリエの仲間達と初めてセリグラフィ(現在のシルクスクリーン)の工房へ行き、日本古来の型染技法に似ているのに衝撃を受ける。
  帰国後、当時日本ではまだ普及していなかったセリグラフィー(シルクスクリーン)とローケツ(蝋けつ)染めを兼用した唯与志独自の染めを追求。その斬新な技法はその後の染屏風やタペストリーだけに留まらず、着物や帯にまで取り入れ、以後京展市長賞連続受賞(以降依属)、全国キモノ総合展(東京)通産大臣賞受賞。

 

  1983年パリで個展「キモノと染タピスリー展」(エスパースジャポン)を開く。着物まとったモデルに凱旋門を歩かせファッションショーを行うパフォーマンスも話題となりNHKなどのマスコミにも取り上げられた。

山本唯与志 略歴

日展会員

日本現代工芸美術協会評議員

京都府工芸美術作家協会々員

日本現代染織造形教会 理事

1937 兵庫県佐用郡佐用町に生まれる

1953 京友禅 西崎松造氏師事

1956 京都芸大教授 来野月乙先生師事

1957 京展・日展出品・日本現代工芸美術展出品                                 

1958 日展参与 元日展理事 皆川月華先生に指導を受ける

1959 京都府工芸美術展一席受賞・61 関西美術展(大阪)一席受賞

1963 光風会展出品 東京光風工芸賞受賞

1968~9 ヨーロッパ、アメリカ遊学13ヶ国を廻る

パリ、アトリエ17(S.W.ヘイター氏)に版画を学ぶ

1978~9 京展連続市長賞以降依嘱・84・88京展審査員

1980 全国キモノ総合展(東京)通産大臣賞受賞

1983 キモノと染タピスリー展(パリ、エスパースジャポン)

1984 「幻想四季」山本唯与志染色作品集出版(京都書院)

スイス、バーゼル、アートフェア出品

1985 現代工芸美術展審査員・京都府作品買上げ

ニューヨーク、アートエキスポ展出品

1986 ドイツ、ハイデルヘルグ染色博物館作品買上げ

1988 京都国体ポスター制作(第43回)

1990 第22回日展特選受賞 93・第25回日展特選受賞

1992 現代工芸選抜ドイツ展出品(フランクフルト工芸博物館)

1996 新潮社出版「嬉遊曲鳴りやまず」表紙画担当

1997 韓、日現代工芸の地平展(韓国ソウル)招待出品

1998 第30回日展審査員に任命される(会員)

1999~01 京都府丹後職業訓練センターデザイン講師(指導員)

2000 日本現代染織ドイツ展選抜出品(ミレニアム日本展)

2001 京都の工芸inエディンバラ展(イギリス)選抜出品

2004 第36回日展審査委員に任命される

2005 「WBCC世界ロウ染会議」ボストンなどアメリカ巡回展出品

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